そろそろ、企業の本選考においてES提出や採用面接が気になってきている頃だと思います。特に今年も採用面接はリモートでの実施とする企業も多いでしょう。
そこで今日は、リモートになると一番難しいと思われる「グループディスカッション」について、話していきたいと思います。
<1>グループディスカッションで企業は何を見てる?
企業での仕事は、チームが一丸となって成果目標に向かって邁進していくという考え方が強いです。もちろんチームの一員として個の社員には、それぞれ役割が与えられ、その役割をしっかり果たしていくことが要求され、個々の社員が役割を果たしていくことでチームに成果をもたらすという考え方ですね。
そういった「企業」での働き方に合致した学生を選ぶ一つの手段としてグループディスカッションはあります。企業ではチームの仲間と協調して仕事をしていけるか?協調した中で個の力を発揮していける人なのか?を見ているのです。
グループディスカッションで企業が学生を見る際の評価の観点は主に次の3つ。
(1)チームプレーの能力(対人能力)はあるか?
コミュニケーション力、リーダーシップ、フォロワーシップ、傾聴力、協調性など
(2)個人の能力があるか?
論理性、発想力、思考力、知識、人柄の良さ
(3)与えられた時間内でチームとしてのベストを出せるか?
最高の成果を最後まで追い求める気持ちと行動力、時間管理能力
特に(3)の与えられた時間内で”チームとしての”ベストを出せるか?の考え方は忘れないでほしいのです。この意識があれば(1)、(2)の観点の評価も上がってくるでしょう。
<2>”チームとしての”ベスト(事例紹介)
ここで一つ、事例を紹介します。
これはとある経営コンサル系企業の人事の方に、私が務めていた大学の学内で学生向けの対面でのディスカッション練習会を開催してもらったことがありました。
その方がチェックしていたグループは、しっかり役職を決めて、時間配分を決めて、回答も時間制限の数分前にしっかりまとめ上げ「これでいいよね!」って雰囲気で終わり、タイムアップの時間を待っていました。
そのグループは、割と議論の内容も”学生としては”及第点で、発表もそつなくこなしていたのですが、その人事の方の評価は以下のとおりでした。
「本選考だったら、私はこのグループ全員落とす!!」
理由は以下のとおり
「時間のギリギリ最後まで脳みそに汗して、意見やアイデアを出し合って、最高の成果を出すのが仕事だろ!! それをこのグループは怠ったので落第だ!!」
少なくとも指摘されたグループには数分の余裕があったのだから「もっと良いアイデアは無いのか!?」「もっと別の意見は無いのか!?」「この発表内容で本当に良いのか?」といった可能性を最後まで探ってほしかった、ということを強く仰っていました。
「限られた時間の中で『最高の成果を最後まで追い求める』気持ちと行動力」
社会人が仕事で成果を出していく上で、この意識をもって取り組むことが必要であることは当たり前です。グループディスカッションでは、その当たり前の取り組み方ができる学生は誰なのか?を判定していると思っておいてください。
<3>最高の成果を「意識」することが大事
グループディスカッションもテクニック重視で考えている人が多いのかもしれませんが、この「限られた時間の中で『最高の成果を最後まで追い求める』気持ちと行動力」を持つことで、テクニックも付いてくることを忘れないでください。
グループディスカッションにおいて注意する点は。
グループの中で、自分がどう動けば最高の成果が生まれるか考えて。
「リーダーにならないと!」「書記でもタイムキーパーでも役職にならないと!」って考えちゃう人がいるけど、自分がその役職に就いたらグループが最高の成果を得られるの?
役職に就くことがグループが最高の成果を出すことに貢献できると考えているならそれも良いけど、ただ役職に就いただけで評価されると思ったら大間違いです。
逆に役職に就かずとも、雰囲気を上げるのが得意であれば、雰囲気作りをしながら発言していくのもアリ。他にも役職者が気づいていないことを補助することでグループの議論の進行に繋がるなら、大いにやるべきだし評価されると思いますよ。
発言が無い人が、実は画期的な意見を持っていたりする
役職でなくてもグループ全員を見て、発言が無い人をリーダーが気づいていなかったら、自分からさりげなく意見を聞いてみる「気遣い」を忘れないように。もしかしたらその人が素晴らしい意見を持っていて、グループの議論を一段階上げてくれるかもしれない。
人の意見はしっかり聞く。特に頷きで共感を示せ
他の人の意見は、自分の意見とは食い違っていてもしっかり聞くこと。そしてしっかり頷くこと。もし違う意見を自分が言うとしても、人の意見を否定しないこと。人は共感されていると気づくと安心感が生まれ、その後も良い意見が出てくる。逆に否定されると不安感や屈辱感が出てしまい良い意見が出にくくなる。グループにとって、どちらが良いか?は分かりますよね。
自分が良い意見を出せるように、日々考える癖を付ける
自分の意見をブラッシュアップするのは一筋縄ではいきません。例えば日々ニュースを見て、自分の意見を考えてみたり、友達と議論してみたり、日々考える「癖」をつけることが良い意見に繋がるのです。
最後まで思考停止しない。諦めない。
グループディスカッションした内容を発表する場合は、制限時間内に発表内容を整理しなきゃいけませんが、とにかく最後の1分1秒まで無駄にせずグループ全員で最高の成果を出す気持ちを忘れずに努力していくことが必要です。
<4>最後に
今回は、グループディスカッションの選考で意識すべきこと、についてまとめてみました。
私が言いたいことは、「与えられた時間内でチームとしてのベストを出す!」を意識してディスカッションに臨むことです。なぜなら社会人になってからの仕事は、「限られた時間の中で『最高の成果を最後まで追い求める』気持ちと行動力」が個人的に必要であり、それをチームの一員として発揮していかなければならないからです。そういった資質を持ち合わせた学生は誰か?を見ているのがグループディスカッションでの選考なのです。
次の投稿で、リモートでのグループディスカッションにおける注意点を挙げる予定ですが、いずれにしても「与えられた時間内でチームとしてのベストを出す!」が基礎となっていることを忘れないでください。
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