国家資格キャリアコンサルタント試験の学科試験まで、後1週間を切りました。受験予定の皆様は、最後の追い込みに入られているかと思います。
今回は皆様へ、学科、実技論述、実技面接、の各試験について、要点を絞って最後のアドバイス、注意点をお話したいと思います。
(1)学科試験について
① 不得意項目の再チェックを行う
これまでに過去問や様々な問題集を解いて対策をされている中で、ご自身の不得意な項目に気づかれているでしょう。すでに1週間を切っているので念入りには出来ないと思いますが、理解できていない、あるいは理解が薄い項目の「キーワード」を拾い出し、簡単でも良いので意味や背景だけでもチェックしておくとよいと思います。
深く理解する時間は無くても、試験直前にある程度「触れる」ことで、いざ出題されても、全くチェックしていないよりも正答に辿り着く可能性は高まります。
② 政府発表資料を再チェック
「労働経済の分析」等の政府発表資料からの設問は、必ず一定数出ます。以前の記事でどんな資料からの出題があったのか?をご紹介しましたが、ここで再掲します。
資料はすべてを読む必要はなく、日頃のニュースで報じられている社会的に問題となっている件(例えば「失業率」「女性の雇用問題」「正規・非正規問題」「働き方改革関連」)等、を中心にチェックしておくことです。
数値が示してあったら数値も覚えておくべきです(能力開発基本調査からの出題は、数値に関する問いがほとんどです)。
③ あとは「出たとこ勝負!」と意識する
様々、対策を行っても「見落としているところは無いか?」と心配になるのが学科試験です。それだけ出題範囲が広い試験ではあるのですが・・・。だからこそ事前の対策が終わったら、試験本番は「とにかく70点を確保するために全力を出す」と意識を切り替えることが必要です。
満点取っても合格、70点でも合格なのですから・・・。
(2)実技論述試験について
① 前回から変更された設問内容に慣れておく
受験予定の皆様はすでにチェック済みと思いますが、前回(第15回試験)から実技論述の出題の一部が変わりました。まずはその出題形式に慣れておく必要があります。第14回以前の過去問についても、第15回の出題形式に合わせて回答を書いてみることをオススメします。
② 時間配分を考える
とにかく、回答に時間を要する割に試験時間が少ないので対策が必要です。増して前回から出題形式が変わり、回答の負荷が増えたので、益々時間に余裕が無くなった試験になっていると思います。
ですので、事前に回答方法の対策を練っておくと良いでしょう。例えば・・・
・問題ごとに回答時間を設定し、その設定時間内に書き切る
・自分にとって解きやすい問題(記述が少ない 等)から先に処理する
私は上記2点を試みましたが、ご自身で回答しやすい方法を見つけられると良いでしょう。私は回答しやすい問題から手を付け回答欄に記入していくことで、徐々に逐語録の内容が自分の頭の中で整理されていくので、その後に手を付ける難しい問題(長い記述を要する設問)に対処しやすくなったと感じていました。
③ 本番では「とにかく書き切る!」が大前提!!
逐語録を読んで、理解し、改善点や今後の展開等を整理して記述することに対して時間に余裕が無い試験だと思います。ですので、記述の途中で試験時間終了とならないように、まずは書き切る!に徹してください。書き切ってから、残り時間に応じて修正をしていく方法が無難です。
(3)実技面接試験について
① 話の声の大きさ、スピードに注意
実技面接試験は、誰しも緊張するものです。緊張すると声が小さくなり、早口になってしまいがちです。目安は試験官にもしっかり聞こえるくらいの大きさで、クライアント役の方に合わせたスピードで話すことです。
私はコンサルタントの「お師匠さん」から、
「クライアントさんの話が終わる毎に『しっかりお話聴いてますよ』という気持ちを込めて1~2秒頷きながら間を空けて、その後自分が話し出すと良いですよ」
とアドバイスされました。これにより”急かされたカウンセリング感”が無くなり、一瞬間を置いてから話し出すことで、早口の抑制に繋がります。ぜひ試してみてください。
② 15分ですべて問題解決できると思わないこと
試験のロープレは、たかだか15分です。当然のことですが15分で解決するカウンセリングなんてほぼありません。試験のロープレでも15分で終結することはありません、途中で終了することになります。でもそれで良いのです。
とにかく焦らないことが必要です。展開を焦るとクライアントに対して攻撃的な質問が多くなってしまい、クライアントの心を閉ざしてしまいます。クライアントの気持ちを受容しながらクライアントが話しやすい雰囲気を作り、スムーズに話してもらうことで、展開が変わるきっかけが生まれます。そのきっかけにしっかり気づいて大事に問いかけしてみてください。
③ 口頭試問の対策
ロープレの自己評価
ロープレの自己評価については、出来たこと、出来なかったことを断定しない言い方で話すようにしてください。出来なかったことについては、今後自身における改善点として考えていることも申し添えると良いと思います。
「~出来たように感じています」
「~は出来ていないと感じているので、今後~のようにしていきたいと考えています」
主訴と見立ての説明
主訴(クライアントが何を訴えているか?どんなことを相談しにきているか?)
見立て(キャリアコンサルタントとしてこのクライアントが持つ問題点は何か?)
は違うので、しっかり区別して言えるようにしておいてください。
今後の展開方法について
今後の展開方法についてはなるべく具体的に話してください。
「今後、 ~のような質問をしようと思っていました」
「今後、 ~の技法を使って ~のサポートをしようと思っていました」
「アセスメントツールや情報提供を使ってサポートしていきたい」
等、展開しようと考えている内容を具体的に話すことです。
まとめ
国家資格キャリアコンサルタント試験の学科試験、実技論述試験、実技面接試験、における最後のアドバイス、注意点についてお話してきました。
とにかく、大学受験のように受験者同士が点数を競い合う試験ではなく、設定された点数に達していれば合格、という試験ですので、落ち着いて試験に臨んでください。
皆さんのご検討をお祈りしております。
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