ホワイト企業に勤める人の退職が今、話題になっていますね。
ホワイト企業とは、ブラック企業と正反対の労働環境や待遇が良い企業のこと、「求められるノルマがキツくない、仕事がユルい」「残業が少ない」「有給を取得しやすい」「コンプライアンスを徹底している」「ワークライフバランスを重視している」という、誰しもが羨む企業です。
ただ、そんな羨ましい労働環境の企業に勤めていても、自分の今後のキャリアに不安を募らせて退職する人も多くなっているのです。
皆さんの中にも、ホワイト企業に勤めているけど、退職(転職)を考えている人はいるのでは?。また、就活生の皆さんの中にも、せっかくホワイト企業に就職してるのに、なぜ早期退職するのだろう?と思っている人もいるでしょう。
今日の記事では、ホワイト企業に勤めている皆さんが早期退職する前に、ぜひやっておくべき8つのことについてご紹介します。この8つを実行しておくことで、退職してもしなくても、後悔しない選択ができるようになります。
また、就活生の皆さんにも、これから社会に出て仕事していくうえで必要な考え方にもなりますので、ぜひチェックして実行してみてください。
ホワイト企業勤務なのに、なぜ辞めたいと思ってしまうのか?
ブラック企業とは違い、ホワイト企業ならば、長時間勤務の苦しさも無いでしょうし、パワハラ上司も少ないでしょうから、働くうえで「イヤになった」とか「会社行きたくない」という事態にはならないと思うのですが、それでも「辞めたい」と思ってしまうのはなぜなのでしょうか?
① 企業が自分を成長させてくれないから不安
今の若手社員は、自分が成長することを大事に思っています。リクルートの「新入社員意識調査2024」においても、仕事をするうえで重視したいことのトップに「成長」(32.2%)が入っているのです。今の時代転職が当たり前の労働環境の中で、成長して自分の市場価値を高めたい、という意識が強いのかもしれませんね。
そんな”自分の成長”を第一に仕事をしていきたいのに、成長できるような機会を企業から与えられない、責任が与えられない、ということで自分のこれからのキャリアに不安を感じて「辞めたい」と思ってしまうこともあるでしょう。
② 仕事内容のミスマッチ
その企業で仕事をしていくうえでは安定しているのだけれど、自分に与えられる仕事内容が自分の本当にやりたいこと、興味のあることと違うと感じてしまったり、いつも決まったルーティンワークばかりさせられて、新しい挑戦をさせてもらえない、ということが続いたりすると、退職して新しい道を探りたくなってしまうことはあるでしょう。
③ 人間関係や社風が自分に合わない
今の新卒就活は、早期選考企業が多く、学生は”急かされる就活”を強いられる状況になっています。早期に選考を行うので、自分が受ける企業がどんな人間関係の中で仕事をしているのか?どんな社風なのか?を充分に理解しないまま内定を得て、入社を決めてしまうケースも多いでしょう。
ただ、ホワイト企業と言われるほど労働環境は良くても、人間関係がどうしても自分と合わない、社風が自分と合わない、というケースは多いと思います。企業はチームで仕事することも多いので、人間関係や社風が自分と合わないと、とても辛い思いをしながら仕事することになり、辞めたくなることもあるでしょう。
あるいは、労働環境が良すぎてぬるま湯のような雰囲気に物足りなさを感じて「この世界から離れたい」と思ってしまう人も居るかもしれませんね。
④ 待遇面で不満や不安がある
長時間労働が無く、パワハラを行うような上司や先輩もおらず、労働環境は良いのだが、業界水準と比較して給与が低かったり、昇給や昇進が見込めなかったりキャリアパスが明確ではないことに不安を感じたりして、辞めたいと思うこともあるでしょう。
⑤ 個人の価値観やライフプランの変化
就職して早々に起きるものではないでしょうけど、働いていくにつれ、自分のやりたいことや価値観が変わったり、ライフステージの変化(結婚、出産、介護など)で働き方を見直したいとして、退職を考えることもあるでしょう。
ホワイト企業を退職したい理由は、この他にもあると思いますが、たとえ労働環境が良いホワイト企業であっても、「安定」と「やりがい」「成長」「自己実現」のバランスが取れないと退職したくなることがあります。
特に「自分らしさ」を大切にしたい人ほど、そのズレを強く感じることが多いようです。
ホワイト企業を辞める前に、やっておくべきこととは?
前項に挙げた理由や、その他の理由で、ホワイト企業でも「辞めたい」「転職したい」と思っている人も今の時代では多くなっていることでしょう。でも、退職の意思を会社に伝える前に、ぜひやっておいたもらいたいことがあります。
本当に退職するにしても、退職を踏みとどまってその企業での仕事を続けるにしても、後悔しないために必要なことです。ぜひ最後までチェックしておいてください。
① 退職理由を自分の中で明確にしておく
今一度、自分がなぜ退職したいのか?退職したい理由を整理しておくことが必要です。ブラック企業やパワハラを受けたり、という理由なら自分の心身の健康のためにも「早く逃げろ!」と早期の退職を考えることも必要ですが、ホワイト企業の場合は「なんだか辞めたい」と自分でも明確な理由が無いまま退職の手続きをしてしまうこともあります。
具体的な不満や将来の希望を明確に整理することで、本当にその会社を退職すべきなのか?会社に残るべきなのか?退職するなら次のステップで何を重視すべきか?が明確になるので退職理由の整理は必要です。
② 成長の機会は、この先ずっと無さそうなのか?確認する
8つのやるべきことの中で、ここが一番重要です。もし「成長の機会が無い」「働き方がユルい」「仕事内容が合わない」「人間関係が合わない」ということが理由で退職を考えているなら、まず社内を見渡すことをオススメします。
(1)社内のどの部署でも今の働き方と一緒なのか?
→総合職なら、数年毎に部署異動があります。もしかしたら今の部署が自分の目指す働き方と違うだけなのかもしれません。ですので、今の部署で自分の思う仕事・働き方ができなくても、会社全体を見渡してみて、目指す仕事ができる部署は無いのか?を確認してみましょう。もしかしたら、数年後の異動で希望の仕事・待遇に巡り会えるかもしれませんよ。
(2)上司や先輩達の働き方はどうなのか?
→「働き方がユルい」「このままでは成長できなくて不安だ」と今の部署・仕事で思うなら、まず直属の自分の上司・先輩の仕事もユルいのか?責任を持たされていないのか?自分から見て、魅力的な社員なのかどうか?を考えてみましょう。
また、他の部署の管理職や先輩社員達も見てみて、自分にとって魅力的で目指すべき社員が社の中にどのくらい居るのか?見渡して考えてみることです。
どこにも自分が目指すべき管理職・先輩社員が居ないのなら、あなたの会社にあなたの目指す成長の機会は無いのかもしれませんし、どこかの部署に素晴らしい仕事をしている管理職・先輩社員が居るのなら、そのまま会社に残り、その部署への異動を目指すのも良いと思います。
(3)年齢や役職で働き方が変わることはないのか?
→企業によっては、新人の頃はしっかり仕事を学んでもらうことを第一に考え、なるべく責任や負担を与えずに育てていこう、という企業もあるかもしれません。でも、企業はあくまで利益を挙げていかないと潰れてしまいます。どんな世代、どんな役職でもユルい仕事をしていたり、責任や負担の無い働き方をしていては潰れてしまうので、どこかの世代、役職以上になったら、責任を持たされ、中身が濃く、高度な思考と動きが求められる仕事を任されることになっているのかもしれません。
ですから、自分の境遇だけ考えて退職を決断せずに、会社全体を横方向(他部署等)にも縦方向(世代や役職)にも目を向けてみて、会社に残る可能性についても考えてみましょう。
③ 社外で成長の機会を見つけてみる
自分の今の会社で仕事すること自体は、苦ではないのだけれど、ホワイト過ぎて成長できないと思うので、今後の自分のキャリアを考えると不安だから今のうちに転職したい、と考えている人もいるでしょう。
ですが、ここはちょっとずる賢く考えて、もし仕事自体がイヤでは無かったら、仕事はそのままで社外に自分の成長の機会を探してみませんか?
たとえば、資格取得の学校に通ってみる。ビジネススクールに通ってみる。もし会社が許してくれるなら副業にチャレンジしてみる。そうやって会社名に頼ること無く、どこでも通用するようなスキルを獲得し、自分の力で生きていくことのほうが、よっぽどこれからの社会で必要になっていきますし、キャリアとして成功なのではないでしょうか?
もし、そういった社外に成長の機会を求めるには、軍資金が必要です。その軍資金は今勤めているホワイト企業の給与から出せばいい。そういうずる賢いやり方もあるのですよ。
④ 今の社内で相談できる人が居ないか?確認する
新入社員や若い社員を導くためにメンター制度を取り入れていたり、進んでいる企業はキャリア・コンサルタントを企業内に入れて、社員のキャリア相談に応じてくれる場合もあります。
会社自体の不満や会社での働き方に関する悩みを社内の誰かに相談することに抵抗があるかもしれませんが、悩んだときに自分一人で考えていくと間違った決断をすることがあります。ですから、できるだけ秘密厳守で自分の相談に応じてくれる人を見つけて、相談してみましょう。
⑤ 他社と自社を比較しない
自社の不満が出てくるときって、割と他社と比較していることってありませんか?
他社に勤める友人や知り合いから他社の情報が入って「自社に無いものが他社にはあって、羨ましい」と思ってしまうこともあると思います、俗に言う”隣の芝生は青い”ですね。でも、意外と他社には他社ならではの問題がありますし他社と比較してしまうと真の退職理由がズレたものになりかねません、他社と比較し自社のマイナス点を理由にした退職決断は止めましょう。
⑥ できれば在職期間中に転職先の目処を付けておく
退職を考えるにしても、退職願を出す前になるべく次の転職先を確保するか?目処を付けておくことをオススメします。退職後に転職先が決まっていないと「次の転職先いつ見つかる?」「転職先が見つかるまで経済的に大丈夫かな」と不安になり精神的に追い込まれたりします。
できれば在職中にしっかり転職活動を行って、転職先を確保してから退職願を提出したり、退職日までに転職先の目処を付けるように転職活動のスケジュールを考えておいたほうが良いと思います。
⑦ 経済的な準備をしておく
上記⑥で、在職期間中に転職先の目処を付けておくことがオススメだと書きましたが、なるべく今在籍している会社を早く離れたいという場合は、充分な転職活動を行う期間が無いまま退職となることもあります。
そうなると、退職後に転職活動を行うことになりますので、活動経費も含め、ある程度の資金的余裕が必要です。退職の前に最低でも3~6ヶ月分の生活費を確保しておく必要があるでしょう。
また、退職後は社会保険料や年金の支払いも忘れずに生活費として計上しておく必要があるので忘れずに。また、もし退職金が出る場合は、使い道をしっかり計画しておくと良いでしょう。
⑧ 社内外の手続きと跡を濁さない退職の心掛け
退職なら、自社の退職の手続き方法や退職についての必要な期間など規定をしっかり確認しておきましょう。健康保険や年金の手続き、失業保険の受給資格についても事前にチェックしておく必要があります。
退職時に必要な書類(離職票、源泉徴収票、雇用保険被保険者証など)を確認し、退職後にもどんな手続きが必要になるのか?事前に調べておくと良いでしょう。
また、自分の退職に伴う仕事の後任者がスムーズに業務を引き継げるよう、資料作成や手順書の整備など、できる限りの準備を行っておきましょう。引き継ぎ等を行わず、後任に迷惑をかけたり、仕事に支障が出て会社に迷惑をかけたりしないようにしましょう。
会社に迷惑をかけないことが必要な理由は、今働いている会社が自分の転職先企業と何かしらの関係があるかもしれません。もしかしたらお客様になっているかもしれないのです。ですから「立つ鳥跡を濁さず」の退職を心掛けましょう。
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<まとめ>今の自分に起きていることが、どこまで続くのか?の見極めが大事
今、このブログを読んでいただいている皆さんの中にも、ホワイト企業に勤めているのに「辞めたい」と考えている人はいるかもしれない。その原因は、上記に挙げた以外にもあるかもしれませんが
まずは、自分が今「会社を辞めたい」と思っている原因が、部署異動しても、仕事年数を重ねても、役職がついても、解消されないのか?を見極めることが必要です。周りをしっかり見て判断することですね。
また、成長を目指すなら、会社で働きながら社外で成長を目指す活動をするのも考えてみてください。成長は誰かが「させてくれる」ものではなく、自分で成長「するもの」です。誰かがさせくれるの精神のままでは、他の会社に転職しても「成長させてくれない!」と不満に思うだけになりますよ。
それから、他の企業と比べて判断しないようにすること。どうしても他の企業の”見える部分”に焦点が当たり、実態以上に良く見えてしまうものなのです。
退職等重要な決断をするなら、自分一人だけの判断で判断せず、誰か信頼のおける人に相談すること。自分一人だけで判断すると、自分の置かれている状況の苦しさから逃げ出したい感情が勝って、間違った判断に辿り着いてしまうこともあるのです。
誰か公平に考えてくれる人に相談することを忘れずに実施してほしいです。退職願を出したら、もう後戻りはできないのですから。
そして、退職を決断するなら、早めに転職活動に動いて、できれば転職先の目処を立てておくこと、それと退職に際し、誰にも迷惑をかけないように、立つ鳥跡を濁さないように、心掛けて進みましょう。
以上、ホワイト企業を退職するなら、その前にやっておくべき8つのこと、についてお話しました。本当に退職するにしても、退職しないにしても、一時の感情に流されず、しっかり今の会社を見極めて決断をするようにしてください。