<23卒 向け>
23卒の皆さんは、サマーインターンが終わり大学の授業も始まった頃ですね。今日は、この先皆さんが、就活の準備をしていく中で、受ける企業を拡げていきたいならどう考えるべきか?について説明していきます。
学部4年、修士2年の就活本番の年になると、就活生の中では「企業の『持ち駒』」という言葉が頻繁に使われます。自分がエントリーして、まだ”お祈り”されていない、選考の途上にある企業のことを言いますが、この企業数が少なくなると「持ち駒、あと少しになってしまいました」とか「持ち駒無くなりました」という状態になり、焦ることになります。
では、まだ学部3年、修士1年の皆さんは、これからどうやって受ける企業を増やすべきか?をこれから見ていきましょう。
1)業界を絞り始めるのは来年4月以降でいい
ここ最近の学生の動きを見ていると、明らかに早い段階で業界・職種を絞ろうとしている人が見受けられるのですが、はっきり言って、3年生・修士1年生の秋から絞り始めるのは、自分で自分の可能性を限定する行為をしているのだけ、と考えます。
例えば、何か商品を買うとき、いくつかの選択肢があったら、いろいろ比較をして買ってませんか?特に高額な商品を買うときは、価格、性能、デザイン、耐久性、等様々な要素を比較しながら選ぶ人が多いはずです。
企業選びだって同じです。皆さんのファーストキャリアがかかる大事な選択になるのですから、自分で可能な限り選択肢は拡げて比較する必要があると私は考えています。
人それぞれではありますが、少なくとも来年4月までは、業界・職種を絞り始める必要は無いでしょう。今は風呂敷を拡げるように範囲を広く、業界・職種・そして企業を探して研究していくのが正解と思います。
2)「受ける企業」探しは4つの視点で
上記で、業界・職種を絞り始めるのは4月以降でよい、と書きましたが、だからと言って闇雲に業界・企業を拡げていくというわけではありません。私としては、次に挙げる4つの視点で自分の「持ち駒」となる企業を増やすべきと考えています。
①インターン等で繋がることができた企業
まずは、サマーインターン等企業の人事担当と繋がりがあり、自分自身もその企業の仕事を好意的に感じている企業は、しっかり「持ち駒」としておきましょう。
中には、秋以降早期選考を行う企業もあるため、早期選考に応募しても良いと思っていたら、しっかり企業研究しておきましょう。ただし余程自分にとって合う企業でない限りは、早期に内々定を貰い、少し安心するための「持ち駒」として考えるべきです。
なぜなら、まず間違いなくその企業より魅力的な企業が後々出てくるからです。
②就活当初から狙っている企業
就活当初から「この企業に入りたい」「こういった仕事に携わりたい」と狙いを付けている人も多いと思います。もちろん「狙いを付けた企業だけしか受けない」のは言語道断ですが、「持ち駒」の中に入れておくべきでしょう。ただし単に憧れだけでなく「なぜ自分はこの企業に入りたいのか?」「なぜこの仕事がしたいのか?」しっかり考えておくことも忘れずに。
③自分の「軸」に合う企業
これから、皆さんは自己分析を進めていくことで、少しずつ自分が考える「企業選びの軸」が見えてくると思います。もちろん完璧に自分の考える軸に合う企業は少ないので、「この点ではこの業界がいいな」「この仕事はこういった点が自分に合いそう」等、すべての点で自分に合わなくても「持ち駒」として入れておくべきでしょう。
④新しく見つけた企業
これから皆さんが自己分析を進めながら、秋以降のインターンや大学等が用意する「業界セミナー」、そして日常生活の中でも企業に巡り会う機会は多くなります。新たな業界や職種を知り、「自分もその仕事出来そうかも?」が見つかったら「持ち駒」として考えてみてください。
特に、文系学生は理系企業を、理系学生は文系企業を見ていくと、意外な発見が出来るかもしれませんよ。
上記①~④企業の企業研究はどうすれば?
自分の「軸」が見えているなら
・「自分の軸は何なのか?」
・「選んだ企業が軸に該当する点は何なのか?」を考えるのと同時に、少しずつ
・「その企業でどんな仕事がしたいのか?」
・「その企業で自分が出来る仕事は何なのか?」
・「その企業での自分の目標は何なのか?」を考えてみてください。
軸が見えていないなら、
・「なぜその企業に魅力を感じたのか?」
・「選んだ企業同士で共通点は無いか?」
を具体的に考え、幾つかの理由について抽出してみてください。特に共通点は自分の企業選びの軸となるかもしれません。
こうやって、それぞれの項目で「持ち駒」となる企業を見つけ、上記の問いに関する答えを考えていけば、少しずつ「業界」「職種」を知る範囲が広くなっていくはずです。
3)「持ち駒」を作る理由は、比較するため
23卒の皆さんが、上記のとおり企業の「持ち駒」を増やすべき、とする理由は、
ズバリ「比較するため」にあります。
最初に書いた「商品を選ぶには比較する」と同様に、企業選びもいろいろ比較することで、見えてくるものがありますし、比較し志望度が上がることで、ESを書くときの「志望理由」に具体性が生まれます。
では、どうやって比較すべきか?ここで比較表の例をご紹介しておきます。
①企業比較表(例)
左に、自分が考える重要度(項目)を挙げてください。この項目があなたの企業選びの「軸」の基礎となるわけです。
そして「持ち駒」企業を並べて、それぞれ重要度(項目)が各企業でどう実態として有してあるのか?を見ていきます。表中では点数化してますが(重要度(項目)に応じて倍率を考えています)、最初は点数化せず、各企業の実態を調べ、自分が考えたこと、感想を書くようにしてください。
少しずつ、実態を調べ、自分の考えをまとめたら、例のように点数化してみても良いでしょう。
こういった企業研究の表については、巷に様々なテンプレートがありますので、自分に合ったテンプレートを見つけたら、それを使って企業比較をしてみてください。あくまでここでは、自分の価値観で企業を「比較」することが重要なのです。
②狭い範囲しか業界・職種・企業研究しないと、こうなる
最後に、来年の本選考で成功する学生と失敗する学生の傾向をみてください。
表の上段「内定獲得学生」のように、最初から広く業界・職種を研究し比較することで、志望動機が明確になりますし、最初からエントリーできる企業も多くなります。仮にエントリーした企業が全滅したとしても、当初から知っている業界・職種が多ければ、次にすぐ自分がエントリーすべき企業を探すことができます。
反対に下段の「未内定学生」のように、狭い範囲しか業界・職種・企業研究してこなかった学生は、仮に全滅した場合、知っている業界・職種も少ないため、次も少ない数のエントリーしかできず、また一から企業研究しなくてはならないため時間が足りなく、志望動機が明確にならず、次も失敗する。というスパイラルに落ち込むわけです。
以上、企業の「持ち駒」について説明しました。「持ち駒」はできるだけ多く作り、自分の価値観で比較する、23卒の皆さんはぜひ実践してください。まだまだ今は業界・職種・企業を絞る時期ではありませんよ。
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