2月3日(木)のブログ記事で、ストレスを放置し、ほっぽらかしていると、
大変なことになる。というお話をいたしました。
ストレスが解消されず、我慢したり放置すると症状が悪化し、抑うつ状態にも
なり得るので、早めの対処が必要です。
ということで、今日はストレスの解消法
「ストレスコーピング」
について、お話していきます。
2種類のストレスコーピング
ストレスコーピングの「コーピング」という言葉には「対処する」「対応する」
「切り抜ける」といった意味があります。
先日のブログでご説明したストレッサー(個人にとって、心理的あるいは身体的
負担となるような出来事や要請)の影響を受けたときに、その影響を自分の脳が
「有害」と捉えたときに、ストレスを感じやすくなります。
では、ストレスに対処する「ストレスコーピング」はどんなものがあるでしょうか。
(1)問題焦点型コーピング
ストレッサーが存在する問題状況を、直接的に解決するコーピングを
「問題焦点型コーピング」と言います。問題焦点型は大きく分けて2種類の
方法があります。
① ストレッサー自体を除去する
ストレスの原因となっている「ストレッサー」自体を除去しようとする方法。
主にストレスを感じ始めた初期段階に有効
具体例:SPIが苦手なのに、ほとんどの企業の選考で実施される
(実践方法の例)
→ 複数の参考書を買って早期に勉強し、模擬試験で試験慣れしておく
具体例:自分の仕事量が多く、毎日残業続きでシンドイ
(実践方法の例)
→ 他の人に仕事を手伝ってもらう。仕事の担当を変えてもらう。
具体例:同僚とトラブって関係が悪いのに、一緒に仕事しなきゃいけない
(実践方法の例)
→ その同僚とじっくり話し合って、
② 認知の仕方を変えてみる
物事の受け取り方を肯定的に捉えたり、誤った思い込みを修正したりして、
刺激をストレッサーにしない方法。
主に、ストレスを「イヤだ」と認知(認知的評価)した段階に有効
具体例:就活の「自己分析」って大変だし、面倒くさい。やりたくない。
(実践方法の例)
→ キャリアセンターの相談員に効果的な自己分析の方法を聞いたり、先輩に
アドバイスをもらえれば、効率的に自己分析できるようになる、と考える。
具体例:仕事でプレゼンすることになった。プレゼン苦手だし資料作りがキツイ。
(実践方法の例)
→ 自分の仕事のまとめになるし、企画が通ったら好きな仕事ができるかも?
と考えることで、良いプレゼンにしよう!と意欲が湧く。
具体例:仕事で失敗し、お客様から怒られてしまった。
(実践方法の例)
→ 「誰でも100%完璧に仕事をこなせるわけではない」「失敗から学べるところが
あるはずだ」と、思い込みの修正と肯定的な考えを持つことで、気持ちが変わる。
③問題焦点型コーピングの欠点
・原因解消のために無理に考えを変えようとすることで、逆に疲れてしまう
・対処法が分かっても実行に移せず、自己嫌悪に陥り別のストレスに襲われる
・仕事の事情等で問題焦点型コーピングを行っても解決にならない
すべてを、問題焦点型コーピングで解消しようとしても、100%解消できるものでは
なかったり、周囲の人を巻き込み人間関係を悪化させることもあります。
次のコーピングの手法も含めて効果的なコーピングを選択することが必要です。
(2)情動焦点型コーピング
ストレッサーによって引き起こされた怒りや不安などの情緒不安定を低減させる
ことを目的としたコーピングです。こちらも大きく分けて2種類の方法があります。
① リラクセーション
不安や怒り、あるいは抑うつ、といった気分・感情を一時的に解消する方法
主にストレスにより情動的興奮(イライラ、怒り、不安、焦り等の精神的反発)
が起きている段階に有効
・マッサージ、アロマテラピー
・マインドフルネス
・趣味に没頭する
② エクササイズ
身体的興奮を生じさせる体内物質(コルチゾール)を消費させる身体活動
主にストレスにより身体的な興奮(心拍数上昇、血圧上昇、筋肉の緊張等)
が起きている段階に有効
・ウォーキング、ジョギング
・エアロビクス、サイクリング
・ゆったりした水泳
③情動焦点型コーピングの欠点
情動焦点型コーピングは、ストレッサーが無くなる等の根本的な解決ではなく
ストレッサー自体は残るので、それに耐えられない場合は、別の方法をとる
必要があります。
コーピングの他にも・・・
上記でご紹介したコーピングは、自ら認知を変えたり、行動を起こすことで
ストレスを解消していくものですが、自分ひとりで解決できない問題もあります。
その場合は、ひとりで解決しようとせず、周りに助けを求めることも必要です。
ソーシャルサポート(社会的支援)
ソーシャルサポート(社会的支援)とは、社会的関係の中でやり取りされる支援
のことを言います。
(1)ソーシャルサポートの種類
① 情緒的サポート:励まし、受容、共感などによる精神面の支援
② 情報的サポート:課題解決に役立つ情報やアドバイス
③ 道具的サポート:金銭面の援助、問題解決のための実際の手助け
④ 評価的サポート:仕事ぶりなどを適切に評価し、認めること
ソーシャルサポートはどこから得られるか
① 人的サポート源
・家族、上司、同僚、友人など
・同じ境遇、同じ悩みを抱えている人とのグループや人間関係
・メンタルヘルスに関する場合は、産業医、看護職、カウンセラー等
学生なら大学の学校医、就職や生活の相談員等
② 物的サポート源
・所属する職場(給料、福利厚生サービス)
※ 常日頃から、いざというときに、どこにどんなサポートが存在し、どうすれば
サポートを受けられるのか?について確認しておくと良いでしょう。
まとめ
今日は、2種類のコーピングと、ソーシャルサポートについてお話しました。
自分がどのタイミングで、どんなコーピングを取り入れるか?については
ストレスを感じていない、心に余裕のあるときに考えておくべきです。
そして、ストレスを受けたとしても、それを溜め込まないこと、ストレスを我慢せず
コーピング等で解消、あるいは軽減すること、これがメンタルヘルスを安定的に保つ
方法だと私は思います。
最後に、下記は情動焦点型コーピングの具体例を集めたものです。
ぜひ自分に合ったコーピングを複数用意しておいてください。
- ・甘いものを食べる
- ・ガムを噛む
- ・コーヒーを飲む
- ・軽くお酒を飲む
- ・外食する
- ・お風呂に入浴剤を入れる
- ・健康ランドに行きサウナで整える
- ・お香をたく
- ・仲の良い友人とZOOM
- ・瞑想をする
- ・マッサージに行く
- ・良い香りのするハンドクリームを塗る
- ・スポーツジムに行く
- ・プールで泳ぐ
- ・軽くストレッチをする
- ・ランニングに行く
- ・自転車に乗る
- ・ドライブに行く
- ・バイクでツーリング
- ・夜景を見に行く
- ・好きな音楽を聴く
- ・仮眠をする
- ・煙草を吸う
- ・買い物に行く
- ・ウィンドウショッピングに行く
- ・ネットサーフィンをする
- ・スマホゲーム
- ・漫画を読む
- ・植物に水やりをする
- ・DIYをする
- ・家族に愚痴を言う
- ・好きなDVDを見る
- ・映画を見にいく
- ・お笑いを見て笑う
- ・ストレスの原因や考えていることをノートに書き出す
- ・ラジオを聴く
- ・水族館に行く
- ・料理をする
- ジグソーパズルで集中する
- ・空を眺める
- ・遊園地の絶叫マシンにのる
- ・自然の多いところに出かけて緑を見る
- ・とにかくボーっとする
- ・髪型を変える
- ・週末の楽しい予定を立てる
- ・ただ川の音が流れる動画を見続ける
- ・目を閉じて首を回す
- ・ライブに行く
- ・100均で大量に買い物をする
- ・誰かに褒めてもらう
- ・部屋の断捨離をする
- ・不要なものをリサイクルショップに売り行く
- ・公園に行く
- ・トイレ休憩をとる
- ・いつもと違うルートで帰ってみる
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