27卒の学生の皆さんは、そろそろ夏のインターンシップでの活動も終わりに近づき、「就活」という今まで経験していなかった行動に少しずつ慣れ始めてきた頃ではないでしょうか。
さて、9月や10月になっていくと企業の早期本選考が少しずつ始まっていきます。ここ数年は本選考の早期化もどんどん進んでいて、3年次中にどこかの企業の内定を持っている学生も少なくないのが現状です。
ただし、あまりに早く企業の本選考を受けると、その結果次第で様々な問題が浮上してきます。
今日の記事は、もしこの秋に行われる企業の早期選考にチャレンジする場合の、注意すべき3つのポイントについて解説します。この記事を読んで意識に入れておけば、対策になりますのでぜひ最後までチェックしてください。
この秋からもし早期選考を受けるなら、3つのポイントに注意!
27卒の皆さんも「売り手市場」という言葉をご存じの方も多いと思います。
企業としては、今の人手不足の中、新卒採用においてはできるだけ多くの優秀な人材が欲しいと考えています。それには、できるだけ早い時期に本選考を行い、早く内定を学生に出して囲い込む。これを行ってくる企業が年々増えているのです。
すでに、夏のインターンシップやオープン・カンパニー等に参加し、積極的に活動している人達にとっては、早期選考を行う企業は気になるところだと思います。「早く、どこかの企業から内定をもらって就活を有利に進めたい」と考えている人も多いでしょう。
ただ、前項でお話したとおり、早期選考を受けるなら注意すべきポイントがあるのです。それをこれからご紹介していきます。
(1)早期選考受けるなら注意すべきポイント その1
選考の結果が思わしくない場合、早期から心が折れて就活が止まってしまう
「インターンシップ頑張ったので、早期選考の案内を貰えた。でもESとか面接の質問に対応できるほどの状況ではない」って27卒の人も多いと思います。
早期選考の企業を受けるといっても、まだその企業のどこに自分が惹かれているのか?その企業で何をしたいのか?もはっきりしていない状況でもあると思います。
そんな状況でも「皆、本選考受け始めてるし」「もう内定取ってる人もいるし」と、急かされて早期選考を受ける。でも企業研究も進んでおらず、自分の気持ちも定まっていない状態で、企業から評価されず落とされることが続くと、段々自分に自信が持てなくなり、就活を続けていく気力が無くなり、活動が止まってしまうこともあるのです。
そういった ”結果が出ないことが続くことによって心が折れてしまう” が早期選考を受ける上で注意すべき1つ目のポイントになります。
では、どう対処すれば心が折れないようになるか?5つ挙げてみます。
① 仮に選考に落ちたとしても、準備不足を自覚し「自分に何が足りないのか?を考えるきっかけになったのだ」と切り替えてプラス思考で考える
② 「せっかくインターンで頑張ったのに無駄になった」とタイパ・コスパで考えないようにする
③ 逆に(落ちた企業の)業界や仕事を知ることができて、今後の企業選びの際に比較して検討することができる、とプラス思考で考える
④ ESや面接でどんなことを聞かれ、どんな雰囲気の中で行われるのか?を早くに経験できたことをプラスに考える
⑤ 「早期選考で内定を得て、就活を早く終わらせる学生はまだまだ少なく、ごく僅かである」ことを認識し、落ちたことで自己嫌悪に陥らないようにする
以上のように、もし選考に落ち続けたとしても、自分はポジティブに考えていけるか?心が折れないで就活を続けていけるか?をまず自分で考えてみてください。
(2)早期選考を受けるなら注意すべきポイント その2
内定後の企業の対応で、その後の自分の就活が動きづらくなる
早期選考を受けて、仮に内定を得たとしてもリスクはあります。
企業は、内定を出した学生を「自社にとって有用な人材」として考えているから、できるだけ手放したくないと考えていることは分かりますよね。
だから企業によっては、内定を出した学生に「オワハラ」を仕掛けたり、定期的にイベントを行ったり、課題を提出させたりして、囲い込みを行ってくることもあるでしょう。
「オワハラ」がきつめの企業は
・「今後一切就活をしない」といった内容の書類にサインさせる
・「内定辞退の場合は損害賠償請求をする」「大学や後輩に影響する」などの脅しをかける
・頻繁に面談の機会などを設定し他社の面接などに行く機会を妨げる
・内定を出す条件として、担当教授による推薦状を出させる(後付け推薦と言う)
こんなことを行ってきたり
・定期的に内定学生に課題を与えて提出させ、繋がりの確保を狙ってくる
・OB・OG社員や内定者同士の食事会等で繋がりの確保を狙ってくる
のように、ガッツリ企業との繋がりを持たせようとしてくるところもあります。
このようなことがあると、内定取得後、他の企業を受けたくても、準備にかける時間が削がれるなど、就活が進まなくなり結果として他の選考に支障が生じることになるかもしれません。
上記のように、早期選考で内定を取った企業から、自分の就活に支障が出るような行為をされたら、一番良い方法はすぐに大学のキャリアセンターに相談に行くことです。
キャリアセンターなら、そういった「オワハラ」に関する情報も長年の経験から持っていますし、企業に対し「オワハラ」の中止をあなたに代わって話してくれますので、一人で抱え込まずぜひ相談に行ってください。
(3)早期選考を受けるなら注意すべきポイント その3
早期に内定を得たことで、企業を見る視野を狭くしたり、逆にいつまでも就活を止められなくなる
就活生にとっては、どんな企業からでも内定を得られたら嬉しいものです。内定無いまま就活しなきゃいけないプレッシャーから逃れられるし、何より自分が企業から評価されたと実感できるからです。
ただ、1社内定が出たことの安心感から、その後自分が見て研究する企業や仕事を限定しちゃう人がいます。視野を極端に狭くしてしまうのです。
また、逆に「もっと自分に合う企業があるはずだ」と、就活を続けるのは良いのですが、いつまで経っても就活を止められず、自分がどの企業の内定を承諾するのか?決められなくなってしまう人もいます。
早期選考を受けるなら、内定が出た後どうするか?まで一応考えておきましょう。
自分はいつまで就活を続け、どの範囲まで企業研究の枠を拡げ、入社する企業を決める基準はどんなことに置くのか?しっかり方針を決め「オワハラ」等、支障を来すような事態が起きたときや、自分の決定が揺らいだときに、どう対処するか?を考えておくべきでしょう。
早期選考は本当に受けるべきなのか?
ここまで、早期選考を受けるなら注意すべきポイント3つについてご説明しました。
デメリットになるかもしれないポイントばかりでしたが、実は早期選考にもメリットはあります。
①志望度が高い企業なら、選考に専念できる
早期選考を実施するような企業が、自分にとっての本命企業ならばその選考に専念できるというメリットがあります。
早期選考を行う企業は増えてはいますが、まだ企業の選考のピークではありませんので、一つ一つの企業の選考に力を入れられるのです。様々な企業を研究した結果、自分の本命企業が早期選考を行っているなら、チャレンジするメリットはあるでしょう。
②この早い時期に本選考のES、面接が経験できる
早くから本選考を受ける経験はメリットになるでしょう。
インターンシップの選考経験はあるでしょうけれども、本選考は、質問の内容もインターンシップ選考とは違いますし、求める回答の「質」もシビアになります。
早い時期から本選考の経験をすることで「こんなことを聞かれるから、もう少し自分の大学時代を遡ってやってきたことを整理してみよう」と気づいたり、「もっと入社後の自分について深く考えてみよう」という気づきにも繋がるので、メリットとして考えられますね。
以上のとおり、早期選考を受けるのはメリットもあり、デメリットもあります。それでも「この企業なら入社してもいいな」と思える企業が早期選考を行っているなら、チャレンジしても良いと私は考えます。
ただ、一番やってはいけないのが「皆、早期選考受けてるから、自分もどこか受けなきゃ」とか「友人があの企業の早期選考を受けるらしい、自分も一緒に受けるかな」と、他人が受けるから自分も・・・という考え方です。
他人が受けるから、ではその企業への入社意欲なんて無いでしょうから、ESや面接で良い結果は出ません。
やはり自分の思いや状況等を考えて、早期選考を受けるなら早くから対策をしっかりと。受けないのなら、いつ自分は選考の舞台に立つのか?、そのときまでどんな準備をすべきなのか?しっかり考えて行動していきましょう。
いつから選考を受け始めるか?自分で決断できず悩むなら
「気になる企業が早期選考の募集してるけど、どうしよう・・・」
「内定が出て、オワハラほどじゃないけど、いろんな課題が出されて学業にも支障がある」
「オワハラに遭ったらどうする?」
「一度は「この内定企業に決めた」と思ったのだけど、決心が揺らいできた」
「内定もらったけど、他の企業受けても大丈夫だろうか?」
「内定を辞退したいのだけど、企業にどう言えば良いの?」
といった悩みが出てくるはずです。ぜひ大学のキャリアセンターに相談しましょう。
キャリアセンターに相談する理由は、これまで皆さんの先輩達から早期選考に関するたくさんの相談に応じてきた事例があり、学生はどう考えれば良いか?どう動けば良いか?のノウハウが蓄積されていますし、オワハラを行う企業への対応もキャリアセンターが行ってくれるからです。
「学外の就活エージェント企業に相談してもノウハウあるんじゃないの?」
と思われるかもしれませんが、学外の就活エージェント企業との絶対的な違いとして
「自分の大学の学生の事情、考え方を熟知している」
という点が言えると思います。
自分の大学の学生に特化して見てきているのだから、一番頼りになるはずです。キャリアセンター職員は、自分の大学にどんなレベルの学生がいて、その学生達がこの時期から来年の就活終わりまでどんな動き方をしていて、どんなことを考えているか?
学部生の卒業要件や大学院生の研究や修士論文といった「その大学の学業の事情」も考慮しながらそれぞれの学生に対応することができるのです。これは学外の就活エージェント会社にはできないことなのです。学業の事情を考慮できるのはその大学の”学内にある組織だから”なのです。
ですので、何か困難なことに遭遇したらぜひ大学のキャリアセンターを頼ってほしいと思います。もちろん本選考前にESのチェックや模擬面接の対応もしてくれますので、積極的に活用していきましょう。
今日の記事のまとめ
今日の記事は、27卒は早期選考を受けるべきか?もし受けるなら3つのポイントについて注意すべき、の内容で説明してきました。
早期選考を受けるなら
・仮に選考に落ちたとしても、プラス思考でポジティブに考えること
・早期選考の企業によっては、オワハラを行ってくる企業もある。もしオワハラに遭ったら一人で抱え込まず、キャリアセンターに相談すること
・早期選考企業から内定を得たとしても、その後極端に企業を見る視野を狭めたり、逆に「もっと良い企業があるはずだ」と際限なく企業を受け続けるのではなく、いつまでに就活を終わらせるのか?入社する企業を決める基準はどこか?を決めながら就活を続けること
・早期選考は、「この企業なら入社してもいいな」という企業があればチャレンジすべき。逆に他人に影響されて受けるなら、良い結果に結びつかない場合が多いから止めること
・自分はいつから選考を受ければ良いか?迷うようであれば、キャリアセンターに相談すること
以上、早期選考企業にチャレンジするなら、抑えておいてください。