今日は、オススメの本のご紹介です。

新型コロナウイルスの影響で、就活がちょっとストップしている学生さん。テレワークを頑張っている若手社員さんには、ぜひ読んでほしい!!
本の内容について
本の内容についてご説明します。全体的な説明としては
「いま、社会の様々な分野でAIの開発と普及が急速に進んでいるが、一方、深刻な「AI失業」の危機も迫っている。本書は、その危機に備え、AIに淘汰されない“3つの能力”(職業的能力、対人的能力、組織的能力)を身につけ、磨く方法を、具体的に教える。」
と書かれています。
(1)AIの発達により代替可能となりうる職業
以前も記事にしましたが、2015年12月、野村総合研究所と英オックスフォード大学の共同研究で衝撃的な推定結果が発表された時は大きな話題になりました。
●人工知能やロボット等による代替可能性が高い 100 種の職業(50 音順、並びは代替可能性確率とは無関係)
※職業名は、労働政策研究・研修機構「職務構造に関する研究」に対応
IC生産オペレーター 一般事務員 鋳物工 医療事務員 受付係 AV・通信機器組立・修理工 駅務員 NC研削盤工 NC旋盤工 会計監査係員 加工紙製造工 貸付係事務員 学校事務員 カメラ組立工 機械木工 寄宿舎・寮・マンション管理人 CADオペレーター 給食調理人 教育・研修事務員 行政事務員(国) 行政事務員(県市町村) 銀行窓口係 金属加工・金属製品検査工 金属研磨工 金属材料製造検査工 金属熱処理工 金属プレス工 クリーニング取次店員 計器組立工 警備員 経理事務員 検収・検品係員 検針員 建設作業員 ゴム製品成形工(タイヤ成形を除く) こん包工 サッシ工 産業廃棄物収集運搬作業員 紙器製造工 自動車組立工 自動車塗装工 出荷・発送係員 じんかい収集作業員 人事係事務員 新聞配達員 診療情報管理士 水産ねり製品製造工 スーパー店員 生産現場事務員 製パン工 製粉工 製本作業員 清涼飲料ルートセールス員 石油精製オペレーター セメント生産オペレーター 繊維製品検査工 倉庫作業員 惣菜製造工 測量士 宝くじ販売人 タクシー運転者 宅配便配達員 鍛造工 駐車場管理人 通関士 通信販売受付事務員 積卸作業員 データ入力係 電気通信技術者 電算写植オペレーター 電子計算機保守員(IT保守員) 電子部品製造工 電車運転士 道路パトロール隊員 日用品修理ショップ店員 バイク便配達員 発電員 非破壊検査員 ビル施設管理技術者 ビル清掃員 物品購買事務員 プラスチック製品成形工 プロセス製版オペレーター ボイラーオペレーター 貿易事務員 包装作業員 保管・管理係員 保険事務員 ホテル客室係 マシニングセンター・オペレーター ミシン縫製工 めっき工 めん類製造工 郵便外務員 郵便事務員 有料道路料金収受員 レジ係 列車清掃員 レンタカー営業所員 路線バス運転者
ここに挙げられている職業は、割と「単純作業の繰り返し」「AIの方が早く、またミス無く処理できる」という仕事なので、真っ先に代替可能と判断されたのは理解できます。
しかし、本書ではこういった単純作業を行う職業だけでなく、知的労働を行う職業であってもAIに淘汰される可能性について触れています。
(2)知的労働の現場で仕事するうえで必要な能力
現代の高度知識社会において、知的労働の現場で仕事するためには、次の5つの能力が求められるとされている。
① 基礎的能力(知的集中力と知的持続力)
② 学歴的能力(論理的思考力と知識の修得力)
③ 職業的能力(直感的判断力と智恵の体得力)
④ 対人的能力(コミュニケーション力とホスピタリティ力)
⑤ 組織的能力(マネジメント力とリーダーシップ力)
どんな分野の職業でも、そこで「活躍する人材」になりたければ、この能力の中で「基礎的能力」と「学歴的能力」だけでは不十分。他の3つの能力を身につけ、磨いていななきゃいけない。
特に、これからのAI時代には「基礎的能力」と「学歴的能力」だけで仕事をしている人材は、いずれAIに仕事を奪われていく!!と書かれている。
(3)高学歴の優秀な人材ほどAIに敗れ去る危険性
現在の高度知識社会においては「勉強できる」ということと「仕事ができる」ということは全く違う能力であり「学歴的な優秀さ」と「職業的な優秀さ」は全く違う優秀さである。従って、高学歴でありながら実社会で活躍できない人材は、この「優秀さ」の切り替えができない人材、「学歴的優秀さ」から「職業的優秀さ」への切り替えができない人材。と謳っている。
この記述を見て私は、勤務していた某国立大学のキャリアセンターで、様々な企業の人事担当者に卒業生達の状況を聞いたときに言われていたことを思い出しました。
「御校の学生さんは地頭が良くて、まじめに働いてくれるのですが、あまり目立ちません」
本書で書かれている中に「高学歴だからって「職業的能力」があるわけではない(一部省略)しかし「学歴的能力(地頭の良さ)」はあるから、言われた仕事はしっかりやるだろう。知的創造力やリーダーシップが無ければ、そうした能力を持つ人材の下で、部下として働かせればいいだろう」という企業の考え方が書かれていました。
結局「高学歴を良いことに、職業的能力を付けていかなければ「優秀な兵隊」にはなれても「経営幹部」にはなれない」ということを人事担当さんも言いたかったのかもしれません。
(4)磨くべき3つの力
本書では、これからの時代にAIがどれほど発達しても、決して人間が淘汰されることのない高度な「職業的能力」「対人的能力」「組織的能力」を解説しています。
① 磨くべき「職業的能力」 ⇒ 「智恵の体得力」と「智恵の伝承力」
② 磨くべき「対人的能力」 ⇒ 「非言語的コミュニケーション能力」と「体験的共感力」
③ 磨くべき「組織的能力」 ⇒ 「心のマネジメント力」と「成長のリーダーシップ力」
この本を読んで気付いてほしいこと
長くなってしまったので、本の紹介は以上ですが、ぜひ皆さん(特に若い方、もちろん経験豊かな管理職の方も)に読んで気付いてほしいことがあります。
(1)AIを恐れるな。AIにも出来ないことはあるし、人間はAIを使って、より高度な仕事に取り組むべし。
(2)上位校の学生は企業に入っても高学歴に胡座をかくな!中堅校以下の学生は早く「磨くべき3つの力」に気付いて上位校の学生以上に一生懸命考え、行動しろ。
(3)若い人も、管理職の人も「組織の中では、上司は部下を支援する立場にあり、、リーダーの役割は、与えられた権限によって部下を動かすことではなく、メンバーの自主性や創造力、協調性や共感力を育むことによって、組織の目標を達成していくことが必要」であることを忘れないでほしい。
長くなりましたのでこの辺りで。
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